聖書を読む

聖書を多角的に読む試み

「ローマ人への手紙」の記事一覧

信仰によるバプテスマ

「バプテスマ」は全身を水に沈める形をとりますが、漢字では「洗礼」と言わずに「浸禮」と言います。バプテスト教会では、主イエスご自身がヨルダン川でバプテスマのヨハネからバプテスマを受けられたこと(マタイ3章、マルコ1章等)、主イエスが弟子たちに命じられた福音宣教のご命令の中で、すべての人を弟子とし、バプテスマを授けるように言われたこと(マルコ16:15-16、マタイ28:16以下)、初代教会では聖霊に満たされた人々からキリストの福音を聞いた多くの人々が、「イエスを救い主と信じてバプテスマを受けた」(使徒言行録2章、8章等)ことなどから、全身を水にしずめるバプテスマを、聖書的なあり方として受けとめてきました。  昨年12月23日のクリスマス礼拝の中で、小野瑛菜さんがバプテスマを授けられた姿を目の当たりにされた方々は、今日お読みしたローマ人への手紙6章8節に書かれてあるように、「キリストと共に死に、キリストと共に生きる」ということがまさにバプテスマ式によって象徴され証されたことをご覧になったのではないでしょうか。

思いを一つにして生きる

 ローマ人への手紙は紀元55―56年頃、使徒パウロが自分はまだ行ったことのないローマの教会の人々に、自分を紹介するために、また、1章16節に書かれてあるように、「福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシャ人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。」とキリストの福音を伝えるために書いたものであります。  当時、ローマでは、ユダヤ人ではなく,異邦人のクリスチャン(ギリシャ人、小アジア、あるいは、地中海世界の人たち)と、ユダヤ人クリスチャンたちが一緒に礼拝をしていました。  しかし、ローマでは、律法を重んじるユダヤ人と、律法を無視する異邦人のクリスチャンの間に分裂や騒動が起こり、ローマ社会に混乱を引き起こす事態となったために、ローマ皇帝は全ユダヤ人にローマからの退去を命じました(使徒言行録18章1-4節)。